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ごみが油田の代替!? 積水化学がごみを資源化する実証プラント竣工

※個人的に面白いと感じ、プレスを元に調査&作成した記事です。ブログ的ではないですが、記事がどこか何かにつながればと思い掲載しています。

■ごみをエタノールに変える実証プラントを積水化学らが竣工 ごみが資源に

積水化学工業は4月11日、可燃ごみエタノールに変換する「BRエタノール技術」の実証プラントを竣工したと発表した。積水化学と官民ファンドINCJの合弁会社である、積水バイオリファイナリーが建設を担当。実証プラントでは、事業化に向けた技術検証やシステム最適化、安定稼働の確認、事業性の確認などを計画している。場所は岩手県久慈市で、市のごみ処理施設が収集した一般廃棄物(可燃ごみ)の一部を譲り受け、エタノールの原料にするという。

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竣工した実証プラント(画像:積水化学工業の発表資料より)

BRエタノール技術は、炭素リサイクル技術を持つ米国ベンチャーのLanzaTech (ランザテック)と積水化学が、2017年に共同開発したもの。可燃ごみを分別することなくガス化し、ランザテックが開発した微生物により、熱や圧力を用いずにエタノールに変換する。

可燃ごみは雑多・不均質で含まれる内容も定まらないため、ガス化しても従来技術ではエタノールへの変換が難しく、再利用が進んでいなかった。

積水化学は、ガスに含まれる物質の特定などを進め、独自のガス精製技術を開発。さらに、変動の大きいごみの成分に応じて微生物の生育を調整するなどの培養コントロール技術を確立した。それらの取組みにより、可燃ごみからエタノールへの変換を可能にしている。

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BRエタノール技術の概要(画像:積水化学工業の発表資料より)

エタノールは合成アルコールだが、石油化学製品に用いられているエチレンと同等の構造を持つため、化石資源の代替としてプラスチックなどの素材生成に活用できるという。積水化学は2020年2月に、プラスチックの1種である「ポリオレフィン」の製造技術・ノウハウを持つ住友化学と協力体制を構築。本実証プラントでは両社協業で、エタノールを原料としたポリオレフィンの製造・検証を行っていくという。

今回竣工した実証プラントの敷地面積は、約2.5万平方メートル(緑地含む)。エタノールの原料として、久慈市のごみ処理施設が処理するごみの1/10程度にあたる約20トン/日を譲り受ける。1日当たりのエタノール見込み製造量は、1~2キロリットル。エタノールはポリオレフィン製造以外の用途にも使用可能で、航空燃料などへの活用も期待されるという。

積水化学らは今後、プラントでの実証と並行して自治体や廃棄物処理業者等民間企業と原料供給などの協議を進め、2025年頃のBRプラント商用初号機導入を目指すという。その先に、ごみを資源として新品の材料に変換し循環させる「新しい資源循環社会システム」の構築を掲げている。

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新しい資源循環社会システムのイメージ(画像:積水化学工業の発表資料より)

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