なたぎり三人女/2016年 群 ようこ著
※ 読んだ書籍の備忘録的なものです ※
今回の書籍
『なたぎり三人女』
著者:群 ようこ とは
むれ ようこ ■ エッセイスト、小説家
1954[昭和29]年、東京都生れ(下記写真は以前のもの、現在は60代)。六回の転職を経て、本の雑誌社勤務時代にエッセイを書き始め、1984年『午前零時の玄米パン』を刊行、独立。著者には、『無印良女(むじるしりょうひん)』、『どにち放浪記』『鞄に本だけ詰め込んで』など多数のエッセイと、映画化された『かもめ食堂』や『パンとスープとネコ日和』など多数の小説あり。
ほぼ1か月くらいで更新されているエッセイ(集英社運営)
読後の単なる感想
三人娘(ヒロコ、ミユキ、マキコ)の関係性、近い距離間でいるけど、つき過ぎそうになったらいいディスタンスを保つような、バランス感覚がいい。
群ようこ本人がモデルなのか?と勝手に想像しているヒロコは、特にサバサバしていていいキャラクター。大手出版社に勤めていたが、アルバイトで「どうでもいいような」エッセイを書いていたら売れてしまい、アルバイトがばれる。「上司は当然のようにアルバイトの方を辞めると思っていたが」本人は、「じゃ、会社をやめまーす」と退職。以降物書きで生計を立てている設定。
冷静なタイプで結構痛い所をつく発言をするけれど、社交的で行動派(時にトラブルも運んでくる)なミユキに引っ張られることを楽しんでいるように見える。
比較的一般的な感覚をもち、ミユキのノリにもついていけて、ヒロコの冷静さにも理解を示すことができるマキコが、いい調和役になっている。
そういえば、「なたぎり」とはどういう意味か。無粋ながら調べてみた。
料理で、野菜の切り方の一種。大根などをなたで削るように回しながら薄めの乱切りにする。本来はなたで切る方法で、粗い切り口になるため、味がよくしみ込み、煮物や漬物に向くとされる (コトバンクより)
https://kotobank.jp/word/%E9%89%88%E5%88%87%E3%82%8A-1495719
タイトルセンスに、じわっときた。