映画、本など。心動かされたこと。

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人生を考える時に見たい「The Company men(カンパニーメン)」/2011年 アメリカ

あらすじ

 *2008年9月15日 アメリカの投資銀行リーマン・ブラザーズの経営破綻から端を発した、経済危機を背景に作られた作品。

 

広大な敷地に建つゴージャスな邸宅から、オープンカーに乗って出社したボビー(ベン・アフレック)。オフィスに着くと同時に上役に呼ばれる。そこでは思ってもいなかった話があった。部門統合を行うため余剰人員を切ることになり、その中に自分が含まれているという。

ボビーが勤める総合企業のGTXでは、造船事業の不振が続いていた。12年間造船事業の販売部門に在籍し、販売部長を任されていたボビー。納得がいかないまま会社の意向に従い、荷物をまとめて会社を去る。

造船事業を管轄するジーン(トミー・リー・ジョーンズ)は解雇の方針を知らされず、方針決定の際、出張に出ていた。出張から帰ったところで、相談がないまま自分の不在時に解雇が行われたことに気づく。ジーンはこれまで、右腕として社長のサリンジャーを支えてきた。しかし、サリンジャーに抗議をするも一蹴される。

次第に状況は悪化し、さらなる人員削減が始まる。「我々の志はもっと高かったはずだろ」とサリンジャーに詰め寄るジーン。だが、勤続30年のたたき上げ社員だったフィル(クリス・クーパー)や、ジーン自身も解雇の対象に。

解雇された男たちは、とまどい迷いながら、周囲に助けられながら、それぞれの選択をしていく・・・。

カンパニー・メン (字幕版)

カンパニー・メン (字幕版)

  • 発売日: 2013/11/26
  • メディア: Prime Video
 

 

みどころ

解雇後、ボビーはこれまでの経歴からすぐに再就職できると考えていた。しかし数か月過ぎても全く決まらない。だが、折り合いの悪かった妻の兄、ジャック(ケビン・コスナー)や周囲の人との関わりを通じて、次第に意識が変わっていく。これまでの生活へ執着する心や焦る気持ちを緩ませていく。

勤め人だった頃の(エリート意識の高い)ボビーとは折り合いが悪かったが、のちに支える一人となるジャック。人のことを良く観察していて、職人気質で口は悪いが親分堅気のジャックは、解雇後のボビーの再生を支える。

 

また、人格者であり社内から人望の厚いジーンの葛藤。人員削減を「愚行」と言い、1人で社員を守ろうとするが、結果として自身まで解雇されることに。解雇後にとまどい迷いながら、原点を見つめ直し、最終的に下す、すがすがしい決断。

 

アカデミー賞俳優が4人出演し、全体的に重みがあるも抜きの部分もあり、バランスの良い作品。トミー・リー・ジョーンズの、説得力のある渋い演技は特に必見。